■1月21日(月)■17:00〜18:00
ここ1年以上TATUYAくんがずっとはまっている、仲間たち( 写真の人形 )を主人公にしたストーリー劇.今回 TATUYAくんが考えてきた内容は競馬で、タイトルは 『仲間たちの猛レース!』.このストーリー劇を始めてから TATUYAくんは毎回、家で次に上演する話を考えてくるようになった.もうどれだけのお話を作ったことだろう….TATUYAくんは、あらかじめ進行の細かい段取りまで自分で決め、また、必要な小道具も忘れずにもってくる.時々 自分のもっている携帯電話の録画機能を使って撮影することもある.・・・その様子は、さながら小さな舞台監督、もしくは映画監督といったところである.私は助手?そしてTATUYAくんも私も出演者で、大道具・小道具さんで、カメラマンでもあり、音楽担当と、さらに吹き替えの仕事も大忙しだ.
編みぐるみの馬に乗っているのはテクテク人形たち.みつろう粘土で作った 海の仲間たち( =これについては別スペースで紹介) は、今回は全員観客席に並んで応援をしている.「さあ、競馬が始まりました」「デッドヒートが繰り広げられています」「男の子1番さん、頑張れ!」「男の子2番さんも負けるな!」…さて、私は実況アナウンサーの役もしつつ( これも監督の指示で )、TATUYAくんの対戦相手として馬も走らせなければならない.そんなふうにして、二人で円形に置いた机の周りを何週も走る( 最初は1レースにつき10週だったが、最近は15週に増えている ).
この遊びのすごいところは、インプロビゼーション( 即興)の要素がたくさん入っていることだと思う.先にも書いたように、彼の中では毎回の劇は完全に計画化されている.しかしそこには 私との掛け合いがあり、さらにはたくさんの仲間たちとのコミュニケーションがある.私は それぞれのキャラクターの個性を強調して演じるようにしていて、時どき 彼らに自己主張やちょっと勝手な振る舞いをさせる…敢えて TATUYAくんの意図に反すると分かっているようなことを、相手に迷惑をかけたりはしない程度で….そしてその際に TATUYAくんのとる反応をとても興味深く感じている.彼にしてみれば 出演者に勝手なことをされるのはとても嫌なのだが、同時に仲間たちをとても愛しているので、その行動を面白がることができ、さらに新しい流れに乗ってくることが多々あるのでアル.
この一連の遊びは、それこそTATUYAくんと私のインプロビゼーションの中から生まれてきたものだったが、長い期間続ける内に 彼のキャパシティが格段に広がったように感じられる.この内面の成長は、「単なる人形遊びの中で行われたことにすぎない」という括りで終わるだろうか…?私にはそうは思えないのだが.
※これらの様子は Photo page にて紹介
さて、今日も全てが順番どおりに進んだ.楽しいストーリー劇が時間通りに終わったら、次は “ドキドキ工作”( TATUYAくんネーミング ).ここからは私が完全に主導権をとる.このスタイルもTATUYAくんの中で納得済みなので、全ての移行がとてもスムーズだ.長い間取り組んできた “カルタ作り” を終えたので、今日はフォルメン.ちょっと難しいけれど もう6年生なので “炎” のようなカルマン流の形に挑戦してみた.最初に私が描くお手本をよーく見て、そのあとで彼も描く.…これは非常に美しい形だが かなり複雑で、左右対称の認識とそれを表現する力が必要となってくる.TATUYAくんにはそれが「出来る」ということが分かっているので与えるが、誰にでもというわけではない.「その子の出来るところから始める」このことは治療教育の鉄則だから….TATUYAくんとは、これに似たような形を以前にも描いたことがあったが、今回のほうが難しいにも関わらず とてもよく描けている.もともと 文字や絵のバランス感覚がとても良いTATUYAくんだが、このフォルメンは彼の成長のさらなる証でもある.
■2月4日(月)■17:00〜18:00
Profile
TATUYAくんは小学1年生の頃から、毎週(月4回)かかさず プリズムに通って来ている.彼のほうのプライベートな理由で休んだことは一度もないうと記憶している.TATUYAくんは自閉症というハンディキャップをもっている.小さい時分は、自閉症に特有のこだわり傾向がかなり強い子どもだった.例えば ロゴマークのようなハッキリした 視覚的に判りやすいものが大好きで、駐車場の車のナンバープレートを端から端まで走って見てまわることが多かった.あの頃はPRISMは、まだRAUMではなく自宅で行っていたのだが、教室が終わってお母さんがお迎えに来られ、一緒に下まで降りていくと車がたくさん止まっているのを見てものすごい速さで走っていくのだった.お母さんは、いつもそのTATUYAくんをひたすら追いかけておられた…駐車場は危ないもの.
そんなTATUYAくんが、4年生くらいから色いろな面でものすごい成長を見せてくれた.※TATUYAくんに関してはまだたくさん書くことがあるのだが、今日はここまで.続きは明日の作業ということで・・・