prism-KENTA 08’1th.2th


■1月 日(月)■15:00〜16:00
今年始めのKENTAくんのPURISM.


■2月11日(月)■11:00〜12:00
今日は祝日.本来はPRISMも休みなのだが、KENTAくんは前回お休みだったので、今日行うことにした.このところ風邪をよくひくというKENTAくん.そう言えば、昔はほとんど風邪などひいたことがなかったのに、昨年はたくさん高熱を出してPRISMも休みがちだった.けれど「熱を出すだけで、他にはこれといった症状がないんです…」とお母さんは首をひねられる.病院で調べても原因が特定できない発熱…?シュタイナー教育をドイツで勉強なさったIDE先生は、発熱した後で教室に来た子どもについて「まるでサナギから新しく生まれ出たような感じがする」とおっしゃるが、実は、私もそう思う.…「一皮向けた」というか、すごく成長した感じがするのだ.あくまで、そんな「感じ」という範疇の話なのだが、幼児期から親しく接している間柄なので、その感じ方は間違っていないと思う.たとえば、免疫学的な観点からそれなりの根拠が見つかったりするのかもしれないけれど.
さて、今日のKENTAくんを見て改めて思う.やはり発熱後は雰囲気がちがう.さすがに中学2年生のお兄さんらしくなったな〜.歌うとわかるが、声変わりも始まっている.私とのコミュニケーションも落ち着きに満ちていて、非常にスムーズだ.でも、相変わらず、ローソクの火は自分でつけたくないらしい.…いつものように私の行う儀式、そしてKENTAくんの儀式をつつがなく終える(世界ビジュアル辞典の顔真似は、人だけでなく動物や車まで擬人化するという、さらなるバージョンアップを遂げているし、もうお笑い芸人やコントの真似は卒業か…).
KENTAくん得意の歌は、今日は久しぶりに ルイアームストロング が出た.私は図らずも泣けてしまうところだった…何というか、世界への信頼感を想起させる暖かいKENTAくんの歌声だったから….また、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」を、映画『卒業』のテーマソングだと、自分で紹介してから歌った.リズム感が良く音も狂わず、本当に上手い.歌の合間には KENTAくん風・ボイスパーカッション なども入るので、私もセッションに参加する.
そんなふうに歌いながら、今日のワークは、前回から取り組み始めたローズ・ウインドウ製作の続き.とても楽しく行えた.薄いペラペラのローズウインドウ紙は、扱いが難しいのだが、KENTAくんはそれをハサミでけっこう上手く切るし、貼り付けるときの指先も(慎重にやれば)それなりに器用に動く.ただ、全体の強調がまだ上手くいかないとのこと.今後の課題はいくつもあるものの、何しろ彼はリズムの人.リズムに乗ると、とてもスムーズに動けているように、私には見受けられる.新しい取り組みと、そこから引き出される可能性は、まだまだ大いにあるはずだ.

   

   


Profile

■2007年7月23日■15:00〜16:00
前回はめずらしく発熱のためお休みだったが、今日は元気にやってきたKENTAくん.何と20日あまりも熱が続いたらしく、しかも原因が特定できないままだったということで、お母さんはずいぶん心配なさったようだ、が、その割に本人はスッキリした顔. KENTAくんの場合、教室は隔週なので1回でもお休みするとずいぶん会ってないような気がして握手する時わけもなく嬉しかった.
さあ教室が始まる…いつものようにローソクに火を灯し、私が笛をふき、言葉のお祈りがすんでローソクを吹き消すと、その次は彼の儀式の始まりだ.お決まりの本を読む…もちろん字もけっこう読めるのだけれど、このときは「読む」というより「見る」というほうがふさわしい.
まずは絵本『アマゾンのネプチューン・カブト』、『サンタクロースと小人たち』、『真夜中の台所』 、それがすんだら(ちょっと古いものだが)ブリタニカの子ども向けビジュアル事典『けんちゃん世界を周る』の中から『フランス・ドイツ・イタリア編』、『インド・スリランカ編』という定番にKENTAくんのその日のセレクトが1冊、アメリカだったり、ロシアだったり、スペインだったり、いろいろな国が加わる.
その際の見方には彼なりの厳格な決まりがあって、必ず私も一緒に見なければならないし、座席のポジションも決まっている.決して崩すことはない(これを「こだわり」だと見る向きもあるが、私は彼にとっての重要な「儀式」だととらえている).
そしてKENTAくんは独特の指使いで器用にページを繰りながら、本の中で目に付いた登場人物の表情をこれまた器用にまねて、その顔を私にみせるのだが、それが素晴らしくうまい! 大まかな特徴はもとより口では言い表せないくらい微妙なニュアンスを捉えて、非常に細かく表現していて、それはもはや名人芸の領域と言えるあまりのうまさに私は何回見ても笑ってしまう.
そして彼は、その私の笑う姿を見て満足するのだ.逆に私が笑わないとちょっと不満そうだ…というか、私が笑うまで同じ顔をしてみせる.自分で「そっくり!」などと自我自賛しているときもある.で、結局私は笑ってしまう.
「人(私)を笑わせる」ということが、KENTAくんのこの行為にとってのモチベーションになっているわけだ.つまるところそれは、先生が笑う = 先生が喜んでいる、 ということになるからではないだろうか.「人を喜ばせたい」…それは、本来誰の中にも備わる非常に高度な感情から生まれてくる意思なのではないだろうか.
彼の言葉は発音が不明瞭なので、解読するのが難しい―しかしその問題は、7年間も付き合ってきた私にはかなり克服できている―が、そういうハンデのために内面をうまくあらわすことができず、つらい思いをしたこともたくさんあると思う.だが(だからこそかもしれない)、彼は言葉以外の表現方法を獲得してきた.彼はビジュアル的なものの中でも、ロゴマークや新聞の見出しなどがとても好きだった(今でも好きだ)のだが、いつの頃からか 絵本や写真の人物の表情に惹かれ、さらにはそれをまねて見せてくれるようになった.あっ、忘れてはいけない.KENTAくんは物まねもとても上手なのだ.今はもっぱら、落語家やお笑いタレントが対象だが、このあたりが彼の顔芸の原点といえるかもしれない.
また、とても耳が良い…特にリズム感が優れていて、気に入った曲を覚え、かなり正確に再現することができる.  しかも彼の曲の好みはなかなか渋く、クラッシックだと、ベートーベン、モーツァルト、ビバルディ、チャイコフスキーなど、しかもけっこう長いものでもフルで歌える.お母さんがおっしゃるに、今はテレビのBS放送などで良質の音楽番組などが1日中見れるのだそうで、それを好んでよく見ているらしい.
KENTAくんはジャズも好きだ.中でも、あの20世紀を代表するジャズミュージシャンの大御所 ルイ・アームストロングの「Its a Wonderful World〜このすばらしき世界」が一番好きで、よく歌っている.何しろ、そのもののもつムードを捉える力に長けているものだから、この曲に込められているであろう平和で美しい想いが伝わってきて、聴いている私もすごく気持ちよくなる.
さて、プリズムは造形教室だから、もちろん絵も描いている.KENTAくんは、絵を描く時―水彩の時もクレヨン画の時も―これらの曲を歌いながら、リズムに乗りながら、心地良く筆を動かす.ほんとうに楽しそうに….絵を描くときの彼の手の動きは決して滑らかとは言えないのだが、こういうふうに歌いながら描くように指導してから、手首も腕も、よく動くようになった.それで、最近はふだん使っているものより大きな紙に描いてもらっている.
この写真の時は、L・アームストロングでも「Its a Wonderful World」ではなく、ミュージカルナンバーの「ハロー ドリー」という軽快で楽しい曲.それを歌いながら描いた.曲想によって筆致が変わるのは当然だが、「Its a〜」よりもかなりリズミカルなタッチで描いている.

    
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