■2月10日(日)■10:30〜12:30
いつもやさしく穏やかなJYOU君だが、今日は一段と落ち着いていた.元気がないとか不機嫌だとかいうわけではなく、何となくまったりした感じ・・・と言えばいいだろうか.だいたい思春期の子どもたちは、こういう雰囲気をかもし出していることが多い.でももしかしたら、いつもは午後のクラスだが、今日は午前中に変更していたせいもあるかもしれない.・・・そういうわけで、いつもよりもおしゃべりも少なめだったので、すぐにワークに入った.
今日は彼の好きな粘土.プリズムでは陶芸用(唐津焼)の粘土を使う.なぜ油粘土や紙粘土を使わないのか?というと、自然のもので、触り心地がとても良いから.他のワークのときもそうだが、素材から与えられる影響は侮れないと思っている.特に、粘土には触覚を通じて自我の感覚を強めるという作用があるので注意を払いたい.
粘土のワークは、集中するとだんだん寡黙になる場合がある.しかし見かけとは裏腹に、身体感覚は非常に活発に動いている.また、形が自在に変化する素材なので、とても有機的な表現が可能となり、無意識的な感情にも働きかけることができる.その証拠に、粘土のワークはほとんどの子どもたちが大好きだ.
これはアートセラピー・ワークで教えられた手法でもあるが、ワークの中で大切にしていることがある.それは粘土を手にしたとき、すぐに変化させないで、しばらくはただひたすら触ってみるということ.自分の意図を捨てて、粘土のほうからやって来る感覚全てに浸されてみるということ.その後に作るものが、たとえば丸い形だけだとしても、充分に意味のある体験になる.
さて、JYOU君はとてもセンシティブな面があるし、感情もとても豊かなので、手のひら全体を使うのが得意だ.こちらがいろいろ言わなくても、長い間 気持ちよさそうにコロコロコロコロ丸めていき、自分なりに満足してから「何かを作ろう!」というところに入ってきた.私が以前作ったローソクシェードが素敵だと言って、自分でもそれを作ってみることに.両方の手のひらや、指の感覚を研ぎ澄まして、丸い球を少しずつ押していき、だんだんに穴を大きくしながら、均等な薄さにしていく.最初はけっこう難しいので、厚めのお茶碗のようになった.しかし、これはこれでとても味がある.そして2回目、自分でもなかなかうまくいったと満足.穴を開けるのはまた難しいが、何でもチャレンジしてみる.乾いて後に焼成、完成が楽しみだ.